流れよ電気と大学教授は言った?

 

 


そういえば近年の日本人ノーベル賞受賞者についてなんだけど、ムネオ…
もとい野依教授(不斉炭素)、小柴教授(カミオカンデ)、田中氏(MS-TOF)に
ついては語ったんだが、まだ白川教授について語っていなかった。

…それ言い出したら湯川教授から朝永教授から全員分やらなきゃいけない
ことになりそうだが…あ、ネタとしてそのうちやれるや(おいおい)。

さて、白川教授が作り出したのは導電性プラスチック
電気を流すプラスチックな訳だが、これどうしてこんなことが
可能になるのか?

まず、ある極論から話すと、ほぼ全ての物質には電気が流れる
ただその流れやすさが全然違うだけなのだ。

ゴムの電気抵抗だって10の15乗Ωくらいなわけなので、ほんっとうに
ちょびっとは流れるといえば流れる。(無理ありすぎ)
ぶっちゃけゴムに比べたら人間のほうが電気流れやすい
(ゴム人間がどのくらいかはわかりません。)
その程度だけど流れないことも無い。

とはいえこんなものを電気が流れるって言うのは無理がありすぎるので、
こういうものを絶縁体と一般的には言う。

逆に流れやすいものだと電気抵抗は事実上0にすることも可能だ。
いわゆる超伝導である。

で、超伝導ほどではないが電気を通しやすい金属などは導体
呼ばれ、割に電気抵抗が小さいので電気を流すのに使われる。

また導体と絶縁体の間の電気抵抗を持つのは半導体
ICとかに使われるアレな。

さて、導電性プラスチックは実は半導体に近い原理でできた。
要は半導体が電気を流すのと同じ性質で電気を流す。
電子の抜けを故意に作ってやり、その抜けを埋めるために電気が
流れやすくなる。

この導電性プラスチックが韓国人留学生の失敗から生まれたのは割と
有名みたいだが、化学の世界では結構そういう話は多いみたいだ。
もっともそれが有用であると見極められた白川教授が優れているのは
当然だけど。

白川教授のアイディアは、ポリアセチレンの重合そのものではなく
(ここが留学生の失敗から生まれた部分)、電子の抜けを故意に作ってやり、
その抜けを埋めるために電気が流れやすくなる
というところなのだが。

まー学生なんて大体失敗するもんだから、がんがん実験してがんがん怒られろ
俺もよく怒られたなあ、考えてみたら(遠い目)。
その失敗からなんか手に入れられたら儲けモノ。
もっとも白川教授はあんまり怒らないタイプらしいけど。

で、これがなんの役に立つのかというと、凄いぞ。
て言うかもう既にむっちゃ役に立ってる
携帯電話の電池の中とか写真フィルムの帯電防止剤とかに既に応用化されている。
俺らが使ってる携帯は白川教授抜きでは存在しなかったかもしれない。

他の用途としてはコンピューターのディスプレイや電子ペーパー、ICタグや
化学センサー、圧力を検知するロボット用の皮膚などが考えられる。
さらに既存の製品も軽く、安価に作れる可能性を秘める。

これだけ凄く金になるモノを、あんまり欲の無いらしい白川教授が
生み出したって言うのが、皮肉といえばまあ皮肉だなあ。
まあこういうアイディアってのは物質の本質という、いうならば神の
領域を侵食するようなもんだから、欲深いといえば欲深いとか言ってみる。
科学者ってのは別の意味で強欲なのだ。

真理の追究に欲の無い科学者は、科学者としてちょっち向いていない
ように思うのは俺だけだろうか。

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